フルリモートがきつい理由6選|メリット・デメリットと向いている人【体験談あり】

フルリモートは通勤がなく自由に働けそうに見える一方で、実際に働き始めると「きつい」「しんどい」と感じる人もいます。

ただし、フルリモートという働き方そのものが問題というわけではありません。本人の適性や自宅の作業環境、会社のコミュニケーション支援や評価の仕組みによって、感じるきつさは大きく変わります。

転職UPPP編集部がSNS上の口コミ約2,000件を調査したところ、孤独感やコミュニケーション不足、評価への不安、家庭との両立といった内容が多く見られました。一方で、通勤の負担がなくなる、生活の時間を確保しやすいといったメリットを挙げる声もあります。

この記事では、フルリモートがきついと言われる理由から、向いている人・向いていない人、つらいときの対処法、転職前に確認したい求人のポイントまで解説します。フルリモートで働いている人も、フルリモートの会社への転職を考えている人も参考にしてください。

平成26年より神奈川県で社会保険労務士として開業登録を行い、以後地域における企業の人事労務や給与計算のアドバイザーとして活動を行う。退職時におけるトラブル相談や、転職時のアドバイスなど、労働者側からの相談にも対応し、労使双方が円滑に働ける環境作りに努めている。また、近時は活動の場をWeb上にも広げ、記事執筆や監修などを通し、精力的に情報発信を行っている。

資格

社会保険労務士

目次

フルリモートがきついと言われる6つの理由【体験談】

フルリモートがきついと言われる理由は、孤独感や評価への不安など大きく6つに整理できます。

フルリモートがきつい理由は主に6つ

社会保険労務士の涌井好文様
涌井 好文
リモートワークは、生産性の向上も望める働き方ですが、一人で作業を進める関係上、孤独感を感じやすかったり、評価が難しかったりと課題が多いことも事実です。そのため、リモートワークは、業種や本人の性格などを考慮して実施すべきでしょう。

リモートワークが普及し始めた2019年後半〜2023年までのフルリモートに関する口コミ約2,000件を独自調査しました。
フルリモート経験者が「きつい」と感じた場面に関する体験談の中でも、特に多かった内容を6つピックアップして紹介します。

調査概要
実施期間2023年後半〜2024年
調査媒体SNS
調査件数2,000件以上
調査対象フルリモート経験者
実施者転職UPPP編集部
フルリモートで「きつい」と感じる理由の比率
他の社員とコミュニケーションが取れず寂しい約20%
仕事が円滑に進みにくくなりストレス約20%
成果主義になりプレッシャーや不安を感じやすくなる約15%
家族や子育てによるストレス約15%
仕事とプライベートでメリハリがなくしんどい約10%
未経験の職種・業界に転職して研修を十分に受けられない約10%
その他約10%

①他の社員とコミュニケーションが取れず寂しい

フルリモートで多いきつさは、雑談や相談の機会が減ることによる孤独感です。

社会保険労務士の涌井好文様
涌井好文
従来のオフィス勤務に比べて、同僚や上司とのコミュニケーションが取りにくいリモートワークは、仕事を進めるうえでの連帯感も築きにくく、社員間の連携も十分に取れません。この点に課題を感じて、オフィス勤務に戻す企業も少なくないため、リモートワーク時は、通常の勤務に戻ることも想定しておきましょう。

フルリモートが「きつい」と言われる理由で多いのが、他の社員とのコミュニケーション不足や孤独感による寂しさ。

同僚や後輩、先輩とコミュニケーションを取りながら仕事を進めるのを好む人だと、フルリモートの環境でより強く孤独感を感じるでしょう。

フルリモートは寂しいという口コミ フルリモートは寂しいという口コミ3 フルリモートは寂しいという口コミ2

パーソル総合研究所が2020年3月に実施した調査では、テレワーカーのうち「私は、孤立しているように思う」と回答した人は28.8%でした。同じ調査では、上司との雑談が行われている割合は、対面の会話が47.0%だったのに対し、Web会議・テレビ会議では13.7%にとどまっています。
※出典:パーソル総合研究所「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」16ページ・26ページ

業務上の連絡そのものは滞りなく進んでいても、その前後にあった雑談の機会が減ることで、職場とのつながりを感じにくくなるケースがあります。

②仕事が円滑に進みにくくなりストレスを感じる

フルリモートでは質問や相談がしにくく、認識合わせに時間がかかることがストレスにつながります。

フルリモートワークでは、業務の連絡・相談などはチャットツールがメインです。
直接相手に相談することができないため、仕事が円滑に進みにくくなりそれがストレスになる場合もあります。

フルリモートは仕事が円滑に進みにくいという口コミ フルリモートは仕事が円滑に進みにくいという口コミ3 フルリモートは仕事が円滑に進みにくいという口コミ2

フルリモートワークでは対面でのコミュニケーションが少なくなるため、誤解や情報の遅れが生じやすくなります。
メールやチャットでは、対面で読み取れる表情や声の調子などのニュアンスが失われ、プロジェクトの進行が遅れたり仕事の質が低下したりすることも考えられるでしょう。

パーソル総合研究所が2020年3月に実施した調査では、上司への「相談」が行われている割合は、対面の会話が60.3%だったのに対し、チャットは39.7%、Web会議・テレビ会議は31.6%でした。また、テレワーカーの39.5%が「非対面のやりとりは、相手の気持ちが察しにくく不安だ」と回答しています。
※出典:パーソル総合研究所「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」10ページ・26ページ

疑問点をその場で確認できないと、認識のずれに気づくのが遅れ、手戻りが発生することもあります。

体験談にもあるように、フルリモートではチャットツールでの連絡がメインになるためコミュニケーション力とレスポンスの早さが重要になります。

③成果主義になりプレッシャーや不安を感じやすくなる

フルリモートでは働く過程が見えにくく、成果で判断されていると感じてプレッシャーにつながります。

フルリモートワークでは、プレッシャーによる「きつさ」を感じる人もいます。

フルリモートはプレッシャーを感じやすいという口コミ フルリモートはプレッシャーを感じやすいという口コミ2

フルリモートワークの環境では従業員がオフィスに出勤しないため、その働きぶりが目に見えにくいです。
その結果、成果物で判断される場面が増えやすく、「自分の成果を明確に示さなければならない」というプレッシャーを無意識に感じやすくなるというわけです。

日々の業務に取り組む姿勢や、成果に至るまでの過程が伝わりにくいという課題もあります。厚生労働省のガイドラインでも、テレワークは非対面の働き方であるため、業務の遂行状況や成果を生み出す過程で発揮される能力を把握しづらい側面があると指摘されています。そのうえで企業側には、部下に求める内容や水準をあらかじめ具体的に示し、評価対象期間中にも達成状況について認識を合わせる機会を設けることが望ましいとされています。
※出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」4〜5ページ

こうした評価への不安は、実際の調査でも確認できます。パーソル総合研究所が2020年3月に実施した調査では、テレワーカーのうち「上司から公平・公正に評価してもらえるか不安だ」と回答した人は34.9%、「上司や同僚から仕事をさぼっていると思われていないか不安だ」は38.4%でした。
※出典:パーソル総合研究所「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」10ページ

ただし、評価の仕組みは企業ごとに異なるため、フルリモートであれば必ず成果主義になるというわけではありません。プロセスも含めて評価する制度を設けている企業もあります。

体験談にもあるように、フルリモートワークでは上司や先輩がその場にいないので相手の雰囲気を掴みにくく、無言のプレッシャーを感じることもあるでしょう。

④家族や子育てによるストレス

自宅では仕事と家庭の場所が同じになるため、勤務中に家族への対応が入りやすくなります。

フルリモートの普及とともに浮き彫りになってきたのが、家族や子育てによるストレスです。

フルリモートワークでは仕事と家庭生活が同じ場所で行われるため、その境界が曖昧になりがちです。
例えば、子どもが学校から帰ってきた時や家族が同じ空間に居る場合、仕事を中断しなければならない状況が頻繁に発生します。

これが繰り返されると、業務に集中できなくなり仕事が進まずストレスになるというわけです。

フルリモートだと家族や子供がストレスの原因になるという口コミ フルリモートだと家族や子供がストレスの原因になるという口コミ3 フルリモートだと家族や子供がストレスの原因になるという口コミ2

また、子育てによるストレスが仕事に持ち込まれると、集中力が散漫になったり仕事に対するモチベーションが低下する可能性もあるでしょう。

勤務中に一時的に業務から離れる時間は「中抜け時間」と呼ばれ、厚生労働省のガイドラインでも、テレワークでは一定程度そうした時間が生じうるものとして扱われています。

休憩時間として終業時刻を繰り下げる、時間単位の年次有給休暇として扱うといった方法が示されており、あらかじめ就業規則などでルールを定めておくことが重要とされています。

※出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」11〜12ページ

家族や子育てによるストレスは、本人の工夫だけで解消できるとは限りません。中抜けの扱いや勤務時間の調整など、会社側のルール整備も含めて考える必要があります。

子育てとの両立を目的にフルリモートを検討している場合は、子育てしながらフルリモート転職するポイントも確認しておきましょう。

⑤仕事とプライベートでメリハリがなくしんどい

自宅で働くと終業後も仕事から離れにくく、休んでいる感覚を得にくくなります。

社会保険労務士の涌井好文様
涌井好文
仕事と家庭の両立を図りやすくするため、3歳未満の子供をもつ従業員に対しテレワーク等のリモートワークを選択できるよう措置を講ずることが努力義務とされています。しかし、リモートワークは公私の区別が付きづらいため、「何時まで働いたら終了とする」など、ルールを定めてメリハリを付けましょう。

フルリモートワークでは基本的に自宅で仕事をすることになるため、仕事とプライベートの境界が曖昧になりメリハリがなくなりやすいです。

フルリモートはメリハリをつけづらいという口コミ フルリモートはメリハリをつけづらいという口コミ2

仕事とプライベートが同じ空間で行われるようになると、「仕事モード」から「プライベートモード」への切り替えが難しくなります。この切り替えがうまくいかないと、仕事のストレスがプライベートにも影響して自宅にいてもリラックスしにくくなるでしょう。

オフィス勤務では、退勤してオフィスを出ること自体が一日の区切りになっていました。自宅で働く場合はその区切りがないため、終業時間を過ぎてもメールを確認したり、作業を続けたりしやすくなります。

厚生労働省のガイドラインでも、テレワークでは業務に関する指示や報告が時間帯を問わず行われやすくなり、仕事と生活の時間の区別が曖昧になるおそれがあると示されています。

対策としては、時間外のメール送付を控えること、所定外深夜や休日は社内システムにアクセスできないよう設定することなどが挙げられています。

※出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」13ページ

ワークライフバランスを保ちたい人は特に、フルリモートではメリハリを意識しないと「しんどい」と感じやすいかもしれません。

⑥未経験の職種・業界に転職して研修を十分に受けられない

未経験や入社直後は質問できる機会が限られるため、フルリモートではきつさを感じやすくなります。

フルリモートワークの環境では新入社員が先輩や上司と直接対面できる機会が少ないため、質問やフィードバックが得られにくくなります

そのためフルリモートでの研修制度が十分に整っていない会社だと、未経験の人は「フルリモートはきつい」と感じやすいです。

フルリモートは未経験だときついという口コミ フルリモートは未経験だときついという口コミ フルリモートは未経験だときついという口コミ2

未経験者または経験が浅いと「何をどのように進めればいいのかわからない」という状態になり、簡単な作業ばかりに対応することになりかねません。

直接質問するのが難しい環境なので、ストレスも溜まりやすくなるでしょう。

こうした状況は、本人の能力というより環境によって生じます。

厚生労働省のガイドラインでも、新入社員・中途採用の社員・異動直後の社員は、業務について上司や同僚に聞きたいことが多く不安が大きい場合があるとして、テレワークの実施にあたってはコミュニケーションの円滑化に特段の配慮をすることが望ましいと示されています。

※出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」3ページ

同じガイドラインでは、社内教育をオンラインで実施することや、機器やオンライン会議ツールを新たに使う場面での研修も有用だとされています。

研修やフォローの体制は企業によって差があるため、未経験からフルリモートの会社へ転職する場合は、入社後にどのような形で業務を覚えるのかを事前に確認しておくと安心です。

※出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」5〜6ページ

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フルリモートのメリットと注意点を比較

フルリモートには通勤や人間関係の負担が減るメリットもあり、注意点と合わせて判断することが大切です。

フルリモートワークとは、会社に出社することなく、自宅や好きな場所から仕事を行う勤務形態のこと。会社の行事や重要な会議などを除いて、出社の必要がありません。

フルリモートワーク

完全に出社しない勤務形態。自宅以外の場所でも業務可能

リモートワーク/テレワーク

基本は出社なしの勤務形態。完全リモートではないため、出社日数が決められている企業もある

在宅勤務

自宅で働ける勤務形態。ただし、カフェといった外出先での業務を禁止している企業もある

国土交通省の令和7年度テレワーク人口実態調査によると、雇用型テレワーカーの割合は25.2%、直近1年間のテレワーク実施率は16.8%でした。コロナ禍のあと減少が続いていましたが、令和7年度調査では増加に転じています

※出典:国土交通省「令和7年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果-」

フルリモートのメリットと注意点は、同じ要素の裏表になっていることが少なくありません。通勤がなくなることは負担の軽減につながる一方で、外出の機会が減ることにもつながります。次の表で、観点ごとに整理しました。

観点メリット注意点
通勤通勤時間・負担が減る外出・運動の機会が減る場合がある
働く場所場所の自由度が高い作業環境を自分で整える必要がある
人間関係対面のストレスを減らしやすい孤独・コミュニケーション不足が起こり得る
時間生活の時間を確保しやすいオン・オフを切り替えにくい
集中一人で集中しやすい自己管理が必要になる
家庭育児・介護との両立に役立つ場合がある家族との生活空間が重なる

厚生労働省のガイドラインでも、テレワークには働く時間や場所を柔軟に活用できること、通勤時間の短縮とそれに伴う心身の負担の軽減、仕事に集中できる環境での業務効率化、育児や介護と仕事の両立の一助となることといったメリットがあるとされています。

特に在宅勤務については、育児休業明けの短時間勤務と組み合わせられる点にも触れられています。

※出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」1〜2ページ

注意点の感じ方には個人差があります。テレリモ総研が2026年に実施した調査(n=1,005)では、「特にデメリットを感じない」と回答した人はフルリモート勤務者で22.9%となり、ハイブリッド勤務9.5%、フル出社8.6%を上回りました。

※出典:テレリモ総研「【2026年版】リモートワークのメリットデメリットに関する調査」

フルリモートが自分に合うかどうかは、メリットと注意点のどちらが自分にとって大きいかで変わります。

フルリモートに向いている人・向いていない人

フルリモートの働きやすさは、仕事の進め方や自宅の環境によって大きく変わります。

同じフルリモートでも、快適に働ける人と、きついと感じる人がいます。分かれ目になるのは性格の良し悪しではなく、仕事の進め方の好みや、自宅で仕事に集中できる環境があるかどうかです。ここでは、向いている人と、きつさを感じやすい人の特徴をそれぞれ整理します。

フルリモートに向いている人

フルリモートに向いているのは、次のような人です。

  • 自分で仕事を進められる
  • 自己管理・時間管理ができる
  • テキストコミュニケーションが苦にならない
  • 一人で仕事をすることが苦にならない
  • 自宅の作業環境を整えられる
  • フルリモートを選ぶ目的が明確

厚生労働省のガイドラインでも、勤務する時間帯や自らの健康に注意を払いながら、作業能率を考えて自律的に業務を遂行できることが、テレワークの効果的な実施に適しているとされています。

※出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」6ページ

通勤時間が長い人や、趣味や家庭の時間を増やしたい人にとっても、フルリモートは目的に合いやすい働き方です。なお、フルリモートでは自己管理やオンラインでのやりとりも重要になるため、リモートワークで求められるスキルも確認しておくとよいでしょう。

フルリモートがきついと感じやすい人

リモートワークで疲れやすい人の特徴。「きつい」「つらい」と感じる理由

一方で、次のような人はフルリモートできつさを感じやすい傾向があります。

  • 対面で相談・会話しながら仕事を進めたい
  • 仕事と私生活の切り替えが苦手
  • 指示・フォローを受けながら仕事を覚えたい
  • 自宅に仕事スペースを確保しにくい
  • 家庭内で勤務時間を確保しにくい

特に、人と話しながら仕事を進めたい人や、真面目に取り組むあまり働きすぎてしまう人は、孤独感や切り替えの難しさを感じやすくなります。ただし、これらは環境や働き方のルールを変えることで軽くできる場合もあるため、そのまま「向いていない」と判断する必要はありません。

観点別に見る向き不向き

5つの観点で、向いている場合と注意が必要な場合を整理しました。

観点向いている注意が必要
仕事の進め方目的を伝えられれば自分で段取りできる手順を確認しながら進めたい
コミュニケーションチャットや文章でのやりとりが苦にならない対面で話しながら認識を合わせたい
自己管理始業・終業の時間を自分で区切れるオンとオフの切り替えが苦手
経験業務内容や業界の経験がある未経験や入社直後で覚えることが多い
自宅環境仕事に使えるスペースと通信環境がある生活空間と仕事場所が分けにくい

すべての観点で「向いている」に当てはまる必要はありません。注意が必要な項目が多い場合は、完全在宅ではなく週に数日出社する働き方も含めて検討するとよいでしょう。

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フルリモートの仕事が“つらい”時の対処法

つらさの原因ごとに、環境・コミュニケーション・時間の区切りを変えると改善できる場合があります。

フルリモートの仕事が“つらい”と感じている方は、次の対処法を試してみてください。

  • 仕事環境を変える
  • コミュニケーション量を増やす
  • 勤務時間・生活との境界を決める
  • 会社と働き方を相談する
  • 改善が難しい場合は働き方・会社を見直す

対処法①:仕事環境を変える

リモートワークがつらい場合は別の環境でメリハリをつけよう

社会保険労務士の涌井好文様
涌井好文
自宅に籠りがちなリモートワークにおいて、街中のカフェやコワーキングスペースでの作業は良い気分転換となるでしょう。しかし、カフェやコワーキングスペースなど自宅外での作業時には、書類や記録媒体の紛失などによる情報漏洩に気を付けなくてはなりません。

孤独感やメリハリのつけづらさを感じている場合は、働く場所を変えることが効果的です。コワーキングスペースやカフェで仕事をすると、仕事と私生活のメリハリがつき、仕事に集中できるだけでなく、他の人が働いている様子から意欲を得られることもあります。

自宅で働き続ける場合は、仕事用のスペースを設けるとよいでしょう。机の上には仕事に必要な文房具やノート、PCだけを置くと集中しやすくなります。机の横にハンガーラックや収納棚を置けば、パーテーション代わりになり仕事スペースを区切れます。

なお、自宅以外で働く場合は、勤務先のセキュリティルールを事前に確認してください。持ち出しが禁止されている資料や、社外ネットワークからのアクセス制限が設けられていることもあります。

対処法②:コミュニケーション量を増やす

孤独感や、仕事の方向性への不安を感じている場合は、意識的に会話の機会を増やすことが有効です。

オンライン会議の本題前に雑談の時間を設けると、チームメンバーや上司とのやりとりが生まれ、寂しさや不安感の軽減に効果的です。テキストだけでは伝わりにくい感情やニュアンスも把握しやすくなります。

雑談の時間がない場合は、〈10分の雑談時間〉などを上司や先輩に提案してみてください。

こまめに進捗を伝えることも、プレッシャーの軽減につながります。進捗を共有すると上司やチームメンバーからのフィードバックが得られやすくなり、優先順位の確認や調整もスムーズに進みます。「何をすればいいかわからない」という状態も解消しやすくなるでしょう。

社外の人間関係を保つことも大切です。定期的に友人と食事に行くなど、仕事以外で人と会う機会をつくると孤独感を和らげられます。

対処法③:勤務時間・生活との境界を決める

仕事とプライベートのメリハリがつかない場合は、時間の区切りを自分で決めましょう。

たとえば、業務時間以外はメールやチャットを見ないというルールを設けることで仕事とプライベートのメリハリがつきます。
このような自己管理ができると業務時間中は集中して効率よく仕事を進められ、業務時間外は仕事のことを考えずにリラックスして過ごしやすくなります。

始業・終業の時刻に加えて、休憩の取り方や、PCを閉じる時間まで決めておくと区切りをつけやすくなります。定時に仕事を終えることで、運動や趣味、家庭との時間などプライベートな時間を有意義に使うことが可能です。

対処法④:会社と働き方を相談する

自分の工夫だけで解決しにくい場合は、勤務体制そのものを会社に相談してみましょう。

たとえば、次のような制度を利用できないか確認する方法があります。

  • 時差出勤制の導入
  • フレックスタイム制の導入
  • 勤務時間や中抜けの取り扱いの見直し
  • 週に数日出社するハイブリッド勤務への変更

相談する際には、勤務体制を変えてもらう理由を明確にしておくことが重要です。

「子どもの送り迎えがある」「パートナーが日中不在で、子育てのため仕事に集中できない」といった事情を具体的に伝えることで、理解してもらいやすくなります。

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対処法⑤:改善が難しい場合は働き方・会社を見直す

社会保険労務士の涌井好文様
涌井好文
リモートワークは、生産性の向上が望めるだけでなく、ワークライフバランス実現にも資する働き方です。しかし、現在ではコミュニケーション等に課題を感じる企業も多く、オフィス勤務回帰の動きが活発です。向いていないと考えるのであれば、オフィス勤務の企業へ転職することも考えましょう。

ここまでの対処法を試しても改善しない場合は、働き方や会社そのものを見直す選択肢もあります。ただし、いきなり転職を結論にする必要はありません。

まずは現職で改善できる余地がないかを確認し、それが難しい場合に次のような選択肢を比較してみてください。

  • 週1〜2日の出社があるハイブリッド勤務の企業
  • 雑談や1on1などコミュニケーション支援の仕組みがある企業
  • オンボーディングや研修体制が整っている企業

たまに出社することで、同僚や上司と直接コミュニケーションを取る機会が増えるため、「コミュニケーション不足」「仕事が円滑に進みにくい」といった原因の緩和が期待できます。仕事とプライベートの区別もつきやすくなります

「完全在宅は少し向いていないかもしれない」と感じた方は、出社日のある勤務制度の企業も検討してみてください。

フルリモート転職で後悔しないために確認したいポイント

求人票の「フルリモート可」という表記だけでは、実際の働き方まではわかりません。

求人票にフルリモートへのケア情報があるか確認

フルリモートの会社への転職を考えている人は、次の項目を求人票や面接で確認しておきましょう。

  • 本当にフルリモートか
  • 定期的な出社の有無と頻度
  • 入社後の研修・オンボーディング
  • 質問・相談できる体制
  • 評価制度
  • チャットや1on1などのコミュニケーション施策
  • 勤務時間・フレックスの有無
  • PC・通信費・備品などの費用負担
  • 自宅以外の場所で働けるか

求人票に書かれていない項目は、面接や転職エージェント経由で確認できます。求人票で見るべき点と、記載がない場合に質問することを整理しました。

確認項目求人票で見ること書いていない場合に質問すること
出社「フルリモート」「原則在宅」などの表記月・年に何回の出社があるか
研修オンボーディングの記載入社直後のフォロー方法
評価評価制度の記載リモート勤務の社員をどう評価しているか
コミュニケーション1on1・定例ミーティングの有無チーム内で会話する頻度
勤務時間フレックスタイム制などの記載中抜けや勤務時間の調整が可能か
費用在宅勤務手当の有無PC・通信費・電気代の負担はどちらか

費用負担については、厚生労働省のガイドラインでも、労使のどちらがどのように負担するかをあらかじめ話し合い、就業規則等にルールを定めておくことが望ましいとされています。

労働者に情報通信機器や作業用品などの負担をさせる場合は、就業規則への規定が必要です。通信費や電気代が増える場合に、実費を計算して支給する方法も示されています。

※出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」5ページ

自宅以外の場所で働けるかも確認しておきたい点です。情報漏洩を防ぐため、カフェやコワーキングスペースでの業務を禁止している企業もあります。

ガイドラインでは、勤務場所を柔軟に選べるようにする場合、使用者の許可基準を示したうえで「使用者が許可する場所」で働ける旨を定めておくことが考えられるとされています。

※出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」6ページ

コミュニケーション面では、現行の求人でも次のような施策を設けている企業が増えています。

  • チャットツールに雑談部屋がある
  • 会議の前に雑談時間がある
  • 定期的にランチ会や交流会がある
  • リフレッシュ時間がある

求人票にこうした情報が書かれていないこともあります。その場合は、転職エージェントに相談して求人を紹介してもらう方法があります。希望する条件にマッチする求人を紹介してもらえるため、フルリモートの体制が整った企業を見つけやすくなります。

転職エージェントに登録して求人紹介してもらうのは完全無料です。紹介してもらったからといって、かならず転職する必要もありません。

完全在宅だけでなくハイブリッド勤務も含めて求人を比較したい場合は、リモートワークの求人に特化した転職サイト・エージェントも確認しておきましょう。

フルリモート・リモート求人を探すときに活用したい転職サービス

フルリモート求人は数が限られるため、求人数の多いサービスを併用すると選択肢が広がります。

フルリモートやハイブリッド勤務の求人は、一般の求人サイトでは条件を絞り込みにくいことがあります。求人数が多い転職サービスを使うと、出社頻度や在宅可否の条件で絞り込みながら比較しやすくなります。

ここでは代表的な3社を紹介します。

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フルリモートがきついと感じながら働いている場合、求人を自分で探す時間を確保するのは簡単ではありません。スカウト型であれば、日々の業務を続けながら他社の条件を知ることができます。

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届いたスカウトの内容から自分の市場価値を把握できるので、すぐに転職しない場合でも現在地を確認する材料になります。

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  • IT・WEB業界でリモート勤務の求人を探している人
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どのサービスを使う場合も、求人票の「フルリモート可」という表記だけで判断せず、出社頻度や研修体制まで確認することが大切です。

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フルリモートがきついと感じる人のよくある質問

フルリモートはなぜ「やめとけ」と言われるのですか?

孤独感や自己管理の難しさ、評価の伝わりにくさなど、合わない人には負担が大きいためです。

具体的には、次のような点が理由に挙げられます。

  • 雑談や相談の機会が減り、孤独を感じやすい
  • 質問しにくく、認識合わせに時間がかかる
  • 働く過程が見えにくく、評価への不安が生じる
  • 仕事と生活の場所が同じで、切り替えにくい
  • 未経験や入社直後は研修・フォローを受けにくい

パーソル総合研究所が2020年3月に実施した調査では、テレワーカーのうち「私は、孤立しているように思う」と回答した人は28.8%でした。

※出典:パーソル総合研究所「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」16ページ

ただし、これらは働き方や環境によって軽減できる場合もあります。全員に向かない働き方というわけではありません。

フルリモートに向いている人はどんな人ですか?

自分で仕事を進められる人、自己管理ができる人、テキストでのやりとりが苦にならない人です。

観点ごとに整理すると、次のようになります。

観点向いている注意が必要
仕事の進め方目的を伝えられれば自分で段取りできる手順を確認しながら進めたい
やりとりチャットや文章でのやりとりが苦にならない対面で話しながら認識を合わせたい
自宅環境仕事に使えるスペースと通信環境がある生活空間と仕事場所が分けにくい

厚生労働省のガイドラインでも、勤務する時間帯や自らの健康に注意を払いながら、作業能率を考えて自律的に業務を遂行できることが、テレワークの効果的な実施に適しているとされています。

※出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」6ページ

未経験からフルリモートに転職するのはきついですか?

経験者より研修や質問できる環境の影響を受けやすいため、企業選びが重要になります。

選考の段階で、次の点を確認しておきましょう。

  • 入社直後のオンボーディングの内容
  • 業務を教わる担当者がいるか
  • 質問・相談できる場や時間が用意されているか
  • 研修をオンラインでどのように実施しているか

厚生労働省のガイドラインでも、新入社員・中途採用の社員・異動直後の社員は上司や同僚に聞きたいことが多く不安が大きい場合があるとして、コミュニケーションの円滑化に特段の配慮をすることが望ましいとされています。

※出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」3ページ

必要になるスキルはリモートワークで求められるスキルで解説しています。

子育てしながらフルリモートで働くのは大変ですか?

通勤の負担は減りますが、勤務時間と育児の線引きが必要になります。

入社前に確認しておきたい点は次のとおりです。

  • 勤務中に業務から離れる「中抜け」が認められているか
  • 中抜け分を休憩や時間単位の年次有給休暇として扱うか
  • フレックスタイム制や時差出勤を利用できるか
  • これらのルールが就業規則に定められているか

厚生労働省のガイドラインでは、中抜け時間の取り扱いについて、休憩時間として終業時刻を繰り下げる方法や、時間単位の年次有給休暇として扱う方法が示されており、あらかじめ就業規則等に定めておくことが重要とされています。

※出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」11〜12ページ

詳しくは、子育てとフルリモートを両立する方法について確認してみてください。

フルリモートとリモートワーク・在宅勤務は違いますか?

出社頻度や働ける場所のルールが企業によって異なります。

一般的には、次のように使い分けられています。

呼び方出社の有無働ける場所
フルリモートワーク原則として出社なし自宅以外でも業務可能な場合が多い
リモートワーク/テレワーク「週に○日は出社」と定める企業もある企業のルールによる
在宅勤務企業のルールによる自宅のみに限定する企業もある

厚生労働省のガイドラインでは、テレワークを働く場所に応じて在宅勤務・サテライトオフィス勤務・モバイル勤務に分類しています。勤務場所を柔軟に選べるようにする場合は、使用者の許可基準を示したうえで「使用者が許可する場所」で働ける旨を定めておくことが考えられるとされています。

求人票の表記だけで判断せず、出社の頻度と働ける場所の範囲を必ず確認してください。

※出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」1〜2ページ・6ページ

フルリモートがつらい場合は転職した方がいいですか?

まずはつらさの原因と、現職で改善できる余地があるかを確認することをおすすめします。

転職を検討する前に、次の方法を試してみてください。

  • コワーキングスペースの利用や専用スペースの確保で環境を変える
  • 雑談の時間や進捗共有の機会を増やす
  • 始業・終業の時刻を決めて生活との境界をつくる
  • フレックスタイム制やハイブリッド勤務を会社に相談する

それでも改善が難しい場合に、週数日の出社がある企業なども含めて比較するとよいでしょう。求人の探し方はリモートワークに強い転職サイト・エージェントで詳しく紹介しています。

まとめ|フルリモートの向き不向きを確認して働き方を選ぼう

フルリモートにはメリットときつい面の両方があり、適性や会社の制度で働きやすさが変わります。

社会保険労務士の涌井好文様
涌井好文
フルリモートは、一人での作業が苦にならない方にとっては、打ってつけの働き方です。しかし、周りとコミュニケーションを取りながら作業を進める方が向いている方も多くおり、向き不向きがはっきりとした働き方となっています。フルリモートへの移行は業種や適性を考えたうえで行いましょう。

フルリモートは通勤がなく、働く時間や場所を柔軟に使える働き方です。一方で、孤独感やコミュニケーション不足、評価への不安、仕事と生活の境界が曖昧になるといった負担を感じる人もいます。

きつさの原因によっては、現在の環境のまま改善できる場合もあります。

  • 働く場所を変える、仕事専用のスペースを設ける
  • 雑談の時間や進捗共有の機会を増やす
  • 始業・終業の時刻を決めて生活との境界をつくる
  • フレックスタイム制やハイブリッド勤務を会社に相談する

それでも改善が難しい場合は、完全在宅にこだわらず、週に数日の出社がある働き方も含めて比較してみてください。フルリモートかオフィス勤務かの二択ではなく、自分に合う出社頻度を探すという考え方もあります。

転職を検討する際は、求人票の「フルリモート可」という表記だけで判断しないことが大切です。出社の頻度、入社後の研修体制、評価の仕組み、費用の負担といった点は企業ごとに異なります。求人票に書かれていない場合は、面接や転職エージェントを通じて確認しておきましょう。

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